赤い革ジャンの男
彼は私の目の前に座った。
まるで仮面ライダーのような形の赤い革ジャンを着て、左耳にハサミのピアス、赤い皮のかばんを持っていた。
ださい。
ださすぎる。
いや、ダサいというか、仮面ライダーすぎる。
髪の毛も歴代の仮面ライダーのようだ。
靴はスニーカーだが靴下は赤い。
赤でコーディネートしたのであろう。
革靴であれば、より私の頭の中の仮面ライダー像にぐっと近づく。
彼は何と戦うのだろうか。
ぜひ、赤いバイクに乗って欲しい。
そして、革ジャンを大事にしてあげてほしい。
歴代仮面ライダーは社会人が多いと思っていたが、調べてみると思いの外、大学生がいた。
やはり、社会人より大学生のほうが時間があるからだろう。でも、悪の組織と戦うタイミングはだいたい昼間なのに授業に間にあっているのか心配だ。悪の組織と戦っていた場合は欠席を考慮してくれるのだろうか。
欠席を考慮してくれる理由は、就活や冠婚葬祭や、学習活動、病院などだが、悪の組織との戦いは何に相当するのだろう。
さらにそれを、証明できるものを提示しなければならない。悪の組織との戦いを証明するのは大変だろう。
彼らが大学を4年で卒業するのは大変そうだ。
単位と平和とで葛藤する彼らを見てみたいものだ。